第1図
第1図の説明 A,E,C,G,J,L,H,F,A点に囲まれた内側の領域では、一応日食が見える。 その見え方は、次のように分類される。 (1)A,D,C,E点に囲まれた領域では、太陽は欠けたまま昇ってくる。 これをさらに分類すると、範囲A,D,C,Bでは、太陽の欠け具合は、食の最大となる前の状況である。 範囲A,B,C,Eでは、太陽の欠け具合は、食の最大を過ぎた状況である。 (2)H,L,J,K点で囲まれた領域では、太陽は欠けたまま沈んでゆく。 これをさらに分類すると、範囲H,L,J,Iでは、太陽の欠け具合は、食の最大となる前の状況である。 範囲H,I,J,Kでは、食の最大を過ぎた状況である。 線ADCを日出初き線、線AECを日出復円線、線ABCを日出最大食線とそれぞれ呼ぶ。 線HLJを日没初き線、線HKJを日没復円線、線HIJを日没最大食線とそれぞれ呼ぶ。 (3)A,F,H,K,J,G,C,D,A点で囲まれた領域では、太陽のかけ始め、食の最大、食の終わりを見ることができる。 これをさらに分類すると、線BMIの上下にある細長い帯状領域では、皆既(金環)食の始めと終わりも見ることができる。 帯状領域の外側では皆既(金環)食は見えない。 線AFHを分食北限界線と呼び、線CGJを分食南限界線と呼ぶ。 これは半影が、地上をかすめ通る曲線群の2本の包絡線に相当する。 線BMIを中心食線と呼び、この線上では、太陽と月が同心円となっている。 皆既食では観察できないが、金環食では同心円状がみられる。 この中心食線上を本影が地上をかすめ通り2本の包絡線ができる。 上方の曲線を皆既(金環)食北限界線、下方を皆既(金環)食南限界線と呼ぶ。 (4)その他の曲線 上述の曲線以外の曲線は、ある特定の時刻における半影が地上に落ちた縁の線である。 この線上では、この時刻にかけ始め、または食の終わりが見られる。 これらの線を、ある時刻の同時初き復円線と呼ぶ。
第2図
題2図の説明 これは第1図において、分食南限界線が無くなった場合である。 これは、半影の一部分だけが地球上をかすめ通ることから生じる。第1図での線CGJが消えたものである。 線ADLHを日出没初き線と呼び、第1図の日出初き線と日没初き線とがつながったものである。 線AEKHを日出没復円線と呼び、第1図の日出復円線と日没復円線とがつながったものである。 線ABIHを日出没最大食線と呼び、第1図の日出最大食線と日没最大食線とがつながったものである。 これらの3線上の各特定点までは日出、それ以後は日没となる。
第3図
題3図の説明 これは第1図において分食北限界線が無くなった場合である。 これは、半影の一部分だけが地球上をかすめ通ることから生じる。第1図での線AFHが消えたものである。 線CDLJを日出没初き線と呼び、第1図の日出初き線と日没初き線とがつながったものである。 線CEKJを日出没復円線と呼び、第1図の日出復円線と日没復円線とがつながったものである。 線CBIJを日出没最大食線と呼び、第1図の日出最大食線と日没最大食線とがつながったものである。 これらの3線上の各特定点までは日出、それ以後は日没となる。
第1,2,3図にすべて共通していることは、日食図の左方の地域では日食は午前中に見え、中央部では正午前後に見え、 右方では午後に見えることである。 また中心食線に近ければ近い地域ほど、食分が大きな日食が見えることになる。すなわち欠け具合は大きくなる。 また、以上3図はすべて本影が地球上をかすめ通る場合で、半影が全部かすめるか、一部がかすめ通るかの違いであった。 この他、本影が地球上をかすめ通らない場合がある。 この場合には地球上どこにおいても皆既(金環)食を見ることはできない。 この場合の日食図は中心食線を含む帯状領域がないだけで、そのほかは第2,3図と読みとり方は同じである。