日食図・日食計算プログラムの利用の手引き
|
日食図・日食計算プログラムでは、
日食が地球のどの地域で起きるかを表示する日食図、
さらにそれを拡大した拡大図、
各地点での食の推移の情報が得れます。 このプログラムの応用として、ギリシャのタレスが日食を最初に予測したとされる紀元前585年の日食を計算してみましょう。
日食図・日食計算プログラムは、次のURLでダウンロードできます。
圧縮ファイルecl.lzhを、パソコン上の適当なフォルダにダウンロード後、
解凍ツールを用いて解凍してください。
ここで、計算希望の年を、半角モードで入力してください。
希望の月日をクリックして選択します。 DTは、暦表示と世界時の差です。この値は、年毎に変わります。 0.0の場合は、プログラムで設定を行います。 0.0以外の場合は、入力値を用います。 なお、初期画面では、プログラム使用時の年が設定されています。
2012年5月21日(日本時)は、日本で金環食が観測可能な日です。
年月日を設定後、
|
このとき、プログラムから計算の年月日の入力を要求する場合があります。 そのときは、年月日に対応する番号を入力します。 次に日食図を描きます。次に現れる「日食図」画面をフルスクリーンの大きさに設定した後、
なお、「メイン」画面に表示されている情報 ”984年8月29日誕生 57サロス周期 金環食 SN型”は、 この日食のサロス周期に関するものです。 |
これは、日食図の計算結果です。 なお、DTの値は、70.78に設定されています。
|
次は、拡大図の計算です。「メイン」画面で
ecl.exeが起動し、終了すると次の画面が表示されます。 拡大図を得るには、拡大の中心となる緯度・経度を設定する必要があります。 このプログラムの初期設定は、東京の緯度・経度が与えてあります。 とりあえず、ここで、
|
これは、計算で得られた拡大図です。 中心地点は、赤丸で表示されます。 なお、拡大図の計算途中で、ディスプレーの表示が消失する場合があります。 このときは、「変更可能」をクリックして、再試行をしてください。
|
拡大図は、中心の緯度・経度や拡大倍率の変更が可能です。 拡大図の中心になる緯度・経度は、地域・国・地点を順次選択し
また、直接緯度・経度を入力することもできます。 さらに、必要があれば倍率を変えてください。 設定後、
|
任意の地点における、食の推移の情報が得れます。 この計算には、観測地点の緯度と経度、標高や地方時とグリニジ時との時差を与えます。 与えられた地点で日食が可能であれば、食の形、食の始め・最大・終わりの時刻が得れます。 さらに、中心食(金環食や皆既食)がおきる場合には、その始め・最大・終わりの時刻や食分が表示されます。
太陽の欠け具合の図が表示され、高度・方位・食分が得れます。
|
日食を始めて予測したのは、紀元前7世紀のギリシャの哲学者タレスだと言われています。 彼が予言したのは、前585年5月28日におこった日食です。 この時の日食を計算で再現してみます。この日食は、皆既食であり、前1162年6月16日に誕生し、この時32サロス周期であることが分かります。日食図を見ると、中央アメリカに始まり大西洋を渡りフランスを通過しロシアに終わっています。ギリシャのアテネ付近の拡大図を見ると、中心帯はアテネの北を通過してます。局地情報からは、アテネではこの日食が夕方に観測され、その欠け具合は最大87%であったことが分かります。 ところで、前585年前後の日食計算を行うと、前587年12月14日にもギリシャで日食が観測されることが分かります。この時は、金環食であり、中心帯はアテネのすぐ南を通過し、アテネでは朝に観測され最大93%の欠け具合です。
|